民泊を経営してみませんか
2018年6月に住宅宿泊事業法が施行され、住宅の全部または一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供する民泊が可能になりました。
あなたが今住んでいるご自宅の一部を旅行者に利用してもらい、宿泊の間、互いに交流を深め、楽しい時間を過ごしてみませんか。
外国人旅行者が利用すれば、自宅で異文化を味わうこともできるかもしれません。
一時的に空いている住宅を旅行者に利用してもらうことで、利用料として収入を得ることもできます。
あなたも民泊オーナーとして新しいライフスタイルを築いてみませんか。
民泊経営には3人の登場人物がいます
民泊経営には3人の登場人物がいます。
・住宅宿泊事業者
・住宅宿泊管理業者
・住宅宿泊仲介業者
あなたが民泊を始めたいと思ったのであれば、その役割は主役の住宅宿泊事業者ということになります。
住宅宿泊事業者とは、行政に届出をして住宅宿泊事業を営む人をいいます。
民泊経営の目的は何でしょうか
なぜ、民泊を始めたいのでしょうか。
ご自宅に旅行者を招き入れて、一緒に生活を共にしたい、地元の文化を知ってもらいたい、旅行者の文化を感じ取りたい、など様々な理由があるかと思います。
この場合、あなたが常にご自宅にいるのか、いないのかで、その届け出内容が異なってきます。
旅行者が滞在中、あなたはどこにいますか。
家の中に誰もいないと旅行者が困ることもあるでしょう。
また、滞在中の安全管理、衛生管理、苦情対応など住宅宿泊事業者として取り組む業務があり、あなたはご自宅にいる必要があります。
あなたが今住んでいるご自宅で経営するのであれば、それはできそうですね。
ご自宅以外の所有物件で、あなたが利用しない間を旅行者のために活用したいという理由で民泊を始めたいと思うかも知れません。
ご自宅以外の所有物件とは、例えば入居者募集中の賃貸物件や年に数回しか行かない別荘などです。
あなたが普段利用しないというこの時間に、誰かがその物件や旅行者の管理をしなければなりません。
旅行者との交流というよりも所有物件の有効活用という視点から、旅行者との距離感を保ち、適切な管理をあなた以外の専門家に委ねるというスタイルです。
一緒には生活しないけれども、近くに所有する賃貸物件を、入居者が決まるまでの間民泊として活用したいという希望もあるでしょう。
所有物件が近くにあるのだから、その物件や旅行者の管理も自分でやりたいとお考えになることも自然なことと思います。
このように民泊スタイルは、主役である住宅宿泊事業者それぞれの事情によって多様になり、それにより届け出の内容が異なります。
また、安全管理、衛生管理上の制約もありますので、始める前に専門の行政書士にご相談ください。
夢の実現をお手伝いいたします。
お電話:050-6865-3674
民泊を始めるために
民泊を経営する人を「住宅宿泊事業者」と言います。
あなたが民泊を始めるのであれば、利用してくれるお客様が安全で快適な時間を過ごせるように「住宅宿泊事業者」としての責任を理解することから始めましょう。
住宅宿泊事業者の業務について
以下が基本的な内容ですので、しっかりと理解しましょう。
- 宿泊者の衛生の確保
- 宿泊者の安全の確保
- 外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保
- 宿泊者名簿の備付け等
- 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
- 苦情等への対応
1.宿泊者の衛生の確保について
宿泊者が快適に過ごすために必要な業務です。
@居室の床面積は、宿泊者1人当たり3.3u以上を確保すること
A清掃及び換気を行うこと
「居室の床面積」とは、宿泊者が占有する部分の面積を指します(宿泊者の占有ではない台所、浴室、便所、洗面所、廊下は含みません。また、押入れ、床の間は含みません)
この「居室の床面積」など物件の面積につきましては、理解するのが難しい場合もありますので、事前に行政の担当者や行政書士にご相談いただくのがいいでしょう。
2.宿泊者の安全の確保について
災害発生時に宿泊者の安全を確保するために必要な業務です。
@非常用照明器具を設けること
A避難経路を表示すること
B火災その他の災害が発生した場合における宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を講じること
非常用照明器具等安全対策の実施要否は、宿泊者の受け入れ規模や物件の間取りなどにより異なってきますので、事前に行政の担当者や行政書士にご相談いただくのがいいでしょう。
3.外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保について
外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な業務です。
@外国語を用いて、届出住宅の設備の使用方法に関する案内をすること
A外国語を用いて、移動のための交通手段に関する情報を提供すること
B外国語を用いて、火災、地震その他の災害が発生した場合における通報連絡先に関する案内をすること
災害時等の通報連絡先については、緊急時にすみやかに確認することが可能なものを備え付けておく必要があり、必要な事項が記載された書面を居室に備え付けることによるほか、タブレット端末への表示等により、宿泊者が届出住宅に宿泊している間必要に応じて閲覧できるような状態にしましょう。
4.宿泊者名簿について
@本人確認を行った上で作成すること
A作成の日から三年間保存すること
B宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日を記載すること
C宿泊者が日本国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号を記載すること
宿泊者情報については定期的に行政へ報告する義務がありますので、きちんと名簿管理をしましょう。
5.周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明について
周辺地域の生活環境への悪影響防止のために、宿泊者に説明しなければなりません。
@騒音の防止のために配慮すべき事項
Aごみの処理に関し配慮すべき事項
B火災の防止のために配慮すべき事項
必ずしも対面による説明が求められるものではなく、必要な事項が記載された書面を居室に備え付けることによるほか、タブレット端末での表示等により、宿泊者が届出住宅に宿泊している間に必要に応じて説明事項を確認できるような状態であれば良いのです。
6.苦情等への対応について
住宅宿泊事業者は、届出住宅の周辺地域の住民からの苦情及び問合せについては適切かつ迅速に対応しなければいけません。
宿泊者の滞在中、時には深夜早朝でも応答又は電話により対応する必要があります。
もちろん宿泊者が滞在していない間も、苦情及び問合せについては対応する必要があります。
「住宅宿泊事業者」の責任について、ご理解いただけたでしょうか。
箇条書きにしていますが、求められていることが多いと感じたかもしれません。
ただ単に予約を受け付けて、宿泊者を受け入れれば良いという仕事ではありません。
宿泊者の安全と快適性を確保するために、責任と努力が求められるのです。
そのためには、事前に行政の担当者や行政書士にご相談されることをお勧めします。
お電話:050-6865-3674
民泊を経営できる住宅について
民泊の施設とすることができる住宅には要件があります。
要件とは、「設備要件」と「居住要件」であり、両方を満たしていることが必要です。
あなたが予定している物件が要件に当てはまっているのかを確認しましょう。
設備要件とは
必要な設備
届出を行う住宅には、次の4つの設備が設けられている必要があります。
「台所」「浴室」「便所」「洗面設備」
これらの設備は物件ごとに作りが違いますので、判断に困るケースもあると思います。
例えば、洗面設備としての機能を有していれば、台所でも認められる場合があります。
設置場所
必ずしも1棟の建物内に設けられている必要はありません。
同一の敷地内の建物について一体的に使用する権限があり、各建物に設けられた設備がそれぞれ使用可能な状態であれば、これら複数棟の建物を一の「住宅」として届け出ることが可能です。
公衆浴場等による代替の可否
これらの設備は、届出住宅に設けられている必要があり、届出の対象に含まれていない近隣の公衆浴場等を浴室等として代替することはできません。
設備の機能
これらの設備は、必ずしも独立しているものである必要はなく、一つの設備に複数の機能があるユニットバス等も認められます。
また、これらの設備は、一般的に求められる機能を有していれば足ります。例えば、浴室については、浴槽が無くてもシャワーがあれば足り、便所については和式・洋式は問いません。
居住要件とは
対象となる家屋
届出を行う住宅は、次のいずれかに該当する家屋である必要があります。
- 「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」
- 「入居者の募集が行われている家屋」
- 「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」
1.「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」の考え方
「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」とは、現に特定の者の生活が継続して営まれている家屋です。「生活が継続して営まれている」とは、短期的に当該家屋を使用する場合は該当しません。
あなたが普段生活している自宅に、旅行者を招き入れるようなイメージでしょう。
2.「入居者の募集が行われている家屋」の考え方
「入居者の募集が行われている家屋」とは、住宅宿泊事業を行っている間、分譲(売却)又は賃貸の形態で、居住用住宅として入居者の募集が行われている家屋です。
ただし、広告において故意に不利な取引条件を事実に反して記載している等、入居者募集の意図がないことが明らかである場合は、「入居者の募集が行われている家屋」とは認められません。
入居者募集が行われているかの確認のため、募集広告やネットの募集画面の提示を求められます。
なお、アパートのような集合住宅の場合、一棟すべてを民泊とするのではなく、1室だけを届けることでその1室だけを民泊とすることができます。
3.「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」の考え方
「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」とは、生活の本拠としては使用されていないものの、その所有者等により随時居住利用されている家屋です。
当該家屋は、既存の家屋において、その所有者等が使用の権限を有しており、少なくとも年1回以上は使用している家屋であり、居住といえる使用履歴が一切ない民泊専用の新築投資用マンションは、これには該当しません。
(随時居住の用に供されている家屋の具体例)
- 別荘等季節に応じて年数回程度利用している家屋
- 休日のみ生活しているセカンドハウス
- 転勤により一時的に生活の本拠を移しているものの、将来的に再度居住するために所有している空き家
- 相続により所有しているが、現在は常時居住しておらず、将来的に居住することを予定している空き家
- 生活の本拠ではないが、別宅として使用している古民家
随時居住を証明するために、周辺商店での買物レシートや最寄り駅までの切符等の提示を求められます。
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民泊開業後の定期報告について
開業のために諸々の手続きを経ましたが、開業後も行政に対して定期的な報告が求められますので、忘れずに実施しましょう。
住宅宿泊事業者は、届出住宅ごとに、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の15日までに、それぞれの月の前2月における、次に掲げる事項を知事(権限委譲している市区においては、その市区長)に報告することになっています。
- 届出住宅に人を宿泊させた日数
- 宿泊者数
- 延べ宿泊者数
- 国籍別の宿泊者数の内訳
1.定期報告の方法
定期報告は、民泊制度運営システムを利用して行うことが原則です。
詳しくは国土交通省の「民泊制度ポータルサイト」でご確認ください。
2.届出事項の内容について
届出住宅に人を宿泊させた日数 |
1年間 = 毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで |
宿泊者数 | 実際に届出住宅に宿泊した宿泊者の総数 |
延べ宿泊者数 |
実際に届出住宅に宿泊した宿泊者について、1日宿泊するごとに1人と算定した数値の合計。 |
国籍別の宿泊者数の内訳 | 「宿泊者数」の国籍別の内訳 |
3.住宅宿泊管理業者から住宅宿泊事業者への報告について
住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託する場合には、宿泊者名簿の記載等を住宅宿泊管理業者が行うことから、定期報告に必要な宿泊者に関する情報を住宅宿泊管理業者が把握することと思われます。
このため、住宅宿泊事業者が確実かつ正確な報告を行うため、必要に応じ、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が締結する管理受託契約において定期的な情報提供について取り決めを行いましょう。
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